尚食(しょうしょく)~美味なる恋は紫禁城で~

2022年「尚食」

宮廷一の料理人を目指す少女達の物語。
姚子衿と皇太孫・朱瞻基の恋物語は筆者の好みからすると甘口すぎるが、游一帆というスパイスもあり、演者も良いのでまぁ許容範囲かな。やはり楽しみなのは毎回の料理。「璎珞」では刺繍の美しさに目を見張ったが、今回は趣向を凝らした贅沢な料理から民間の素朴な料理まで様々な料理が登場し、どんな味だろうかと妄想が広がった。そして尚食の座を争う権力闘争も眼が離せない。

まずは3人娘が入宮した時に尚食局を掌握していた孟尚食。料理の腕は勿論、皇室や官僚とのつきあい方も部下への指示も的確。向かう所敵なしに見えたが、何度も足を掬われる事態が訪れる。この尚食の座を虎視眈々と狙うのが胡善囲。一族の存亡を賭け、あらゆる手段を使って目的を達するがその結果は…。
この争いの中に飛び込んだ少女達もそれぞれの野望を持っている。蘇月華は母を見返したいという思いで尚食の座を狙う。殷紫萍は奴婢の身分により差別される運命から逃れるために尚食の座を狙う。姚子衿も政治の道具とされる事を避け、誇りを守るために尚食を目指す道を選ぶ。
そんな鼻っ柱の強い部下たちとワケありの上司に囲まれ、与えられた役割を地道にこなすのが方含英。陳蕪への秘めた恋が単調な生活に彩りを与えている。

皇室の人間関係は同時代を扱った「大明皇妃」と近いが、ここでは朱棣の側室・荘妃や朱高熾の側室・郭貴妃の運命が描かれている。
胡善祥は、やはり朱瞻基に冷遇されているが、もう少し救いのある結末になっている。
リアリティをとるか後味の良さをとるかの選択では常に後味を優先している感じだが、別にそれほど大幅に史実を逸脱している訳でもなく、主題歌でも「有些谈笑无稽(荒唐無稽なお話)」とあるように、エンタテインメント性の高い作品だった。

史実

▶︎その頃の日本
1401年 足利義満が博多商人の肥富と僧祖阿を明へ派遣し、永楽帝(朱棣)に国書を送って貿易を始める。

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