大宋宮詞 〜愛と策謀の宮廷絵巻〜

2021年 大宋宫词

平民出身で宋の皇后となった劉娥の物語。皇帝・趙光義の皇子・趙恒(当時は趙元侃)は彼女を寵愛する。劉娥は皇帝から不吉な女と警戒された為、王府を追い出される。趙恒は即位すると皇后に劉娥をと望む。先帝の意向を受けた大臣らはこれに猛反対。劉娥は妃の身分も定まらぬ中で趙恒の子を産む。だが息子には恐ろしい運命が待ち受けていた。
劉娥と宸妃・李婉児が同時に懐妊した折、趙恒は策を弄し劉娥を皇后にする。婉児は劉娥を敬慕しており、心をこめて劉娥に仕えていたが、趙恒の策が原因で劉娥と婉児の仲は壊れる。
宮廷の策謀の犠牲となっても運命に甘んじ役割を全うする李婉児。
婉児と並び印象深いのは、
劉娥を支える為に命懸けで奔走する義弟・蘇義簡。
彼の覚悟の深さは物語の終盤、観る者の心に余韻を残す。

歯に衣着せぬ物言いの重臣・寇準も、劉娥らと対立する事は多かったが、彼なりの信念が際立っている。遼の皇太后も威厳があり、子や孫に見せる顔と為政者としての顔との差が面白い。趙恒の乳母もまた、主人の為に罪を犯し、娘の命を守る為に思い切った処置を行う姿が心を打つ。趙恒の最初の正妻・郭清漪は報われない人だが、劉娥への嫉妬心を抑えつつ家族や国家の事を思う姿が立派だ。側妃・潘玉姝は美貌だが、平凡な家に生まれた方が幸せだったやも。佞臣だが努力家でもあり、目が離せないのが王欽若。やたらと瑞祥を有り難がり、時々、瑞祥を工作しては皇帝に売り込む。愛嬌があり、観てて楽しみだったのだが、最後にあの人を死に追いやったのがちょっと…。

平凡な村娘だった劉娥と優しい第三皇子。共に平穏に暮らす事だけを望む二人だったが、皇子はそれが許される立場ではなかった。既に父帝の決めた王妃もおり、彼自身に皇帝の座への野心はなくとも、周囲は帝位をめぐり策謀をめぐらす。父帝は彼を後継者に望むが、彼は父がその為に行う政略に反発し抗議する。だが彼も皇帝としての宿命からは逃れられなかった。彼の遺勅の最後の一文は、劉娥にとっては読まない方が幸せだったかも知れない。

大梁:宋の首都・開封は昔、大梁と呼ばれた。
澶淵:宋と遼が不戦の盟約を結んだ地。

史実

▶︎その頃の日本
1008年 「源氏物語」が冊子として作成される。

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